あたらしい絵本の世界
きのう、福音館書店さんの主催のイベントで対談をさせてもらいました。
テーマは「ロングセラーの絵本てどんなものだろう?これからロングセラーになる絵本とは?」といったことでした。
この世界にはいま、国内外の絵本が山ほどあって、それぞれの作品がたのしみを提供してくれています。
「やり尽くされている」とまでは言わないけれど「出揃っている」という感じがします。
対談中に、これからどんなふうにして絵本の世界が広がっていくのか。
その可能性の一つが見えた気がしたので書き留めておこうと思います。
いま作り手としては、この絵本の世界を見渡すと空席はないように思います。
そんななかで、どうしたら次のロングセラーになるような
永く子どもたちの心を照らす絵本を作ることができるのか。
そう考えると、もう創造の種は自分の中を深く潜るようにして探索していくしかないな。と思いました。
自分の中にしか答えがなくて、それを求めて自分に潜っていこう。と私は思います。
多くの作り手がこれまでの観念(こういうのって子どもに好かれるよね。とか)に囚われずに、自分の中の煌めきを見つけて表現した時に、何が起こるか。
すごくすごくバラエティーに富んだ色とりどりの絵本たちが現れそうです。
それはとてもわくわくする世界。
多様性にあふれた作品たちが生まれた後に、このカラフルなバトンを受け取ってくれるのが書店さんや読み聞かせをされている方たちです。
きっとこれからは、評判や口コミだけに頼らない、その方独自のフィルターを通して本を紹介してくれる世界がはじまる。
ちょっと偏っていたとしても、その人独自の選書で子どもたちへとつないでくれる。
そんなふうに思いました。
そしてバトンはお母さんやお父さん、ちいさな子どもを囲む大人の人たちへ。
本屋さんで見つけた絵本で、ピンとくるものがあれば自信を持って買ってあげて欲しいと願います。
子どもたちは自分の好きなものにはすぐに反応します。彼らは「だれがおもしろいと言ったから」とか、ぜんぜん関係のない世界に住んでいます。
そうしてたくさんの手を通って、色とりどりのバトンがそれぞれに求める子どもたちに手渡される世界はとても気持ちのいい世界です。
赤いバトンを欲しい子。緑のバトンを求める子。茶色のバトンがお好みの子もいるかもしれない。
それぞれがフィット感のある世界。
いいなあと思います。
ロングセラーという意味では、一極集中しないのでより多くのロングセラーがうまれそうです。
対談を通して、こんな景色が見えてうれしかった。
私自身もそんな景色へとるんるんと向かっていけるようにマイペースに歩んでいきたいです。